南相馬市で収穫の稲穂からセシウム検出 がれき撤去が関係か(福島14/07/14)


2013年秋に福島・南相馬市で収穫された稲穂から、放射性セシウムが検出された。農林水産省は、福島第1原発で進められている、がれきの撤去が関係している可能性があるとして、東京電力に説明を求めている。
福島第1原発から20km以上離れた、福島・南相馬市原町区。
2014年も作付けが行われているこの地区の田んぼで、2013年秋に収穫された稲穂から、セシウムが検出された。
2013年秋に、南相馬市で収穫されたコメから、基準値を超える放射性物質が検出されていた。
しかし、その原因について、これまで地元の農家には、一切説明がなかったという。
南相馬市鹿島区のコメ農家・櫻井義晴さん(36)。
2014年も、農地を除染したうえで作付けを行ったが、不安は尽きないと話す。
櫻井さんは「ちょっとずつでも信頼回復しているさなかに、そういうことが起きていたというのがわかったというのは、これから先、厳しくなっていくのかなという感じはします」と話した。
南相馬市の田んぼで見つかったセシウムが付着した稲穂は、セシウムは、土壌から吸収されたものではなく、局所的に付着していて、稲穂が出始めた8月ごろについたのではないかとみられている。
また、福島第1原発では、この時期、大規模ながれきの撤去作業が行われていて、8月19日には、放射性物質が飛散。
双葉町では、モニタリングポストの値が上昇するなどしたことから、国と県では、がれきの撤去作業が汚染につながった可能性は否定できないとして、東京電力に説明を求めていた。
東京電力は会見で、「当日のダスト飛散そのものと、それから、南相馬市の平成25年度産のコメの基準値超え。1kgあたり100ベクレル(Bq)超えとの因果関係ということについては、当社としても、わかりかねるというところが、正直なところでございます」と話した。
福島第1原発で、これからも続く、がれきの撤去作業。
原因の解明が待たれている。