歩道橋の上と落ちた航空機 / 狐火 Track by Bui Ya! Bass


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【リリック】
新宿南口 歩道橋のさらに上
人も通らぬ鉄骨 真上は晴れてても
遠くに夕立 通り雨が降るなら
人はそれを奇跡と呼んだかな
道行く通行人は足を止めず
止めた人はアイフォンで動画を撮り始め
じめじめした梅雨の一時 中央 山の手
の扉が開く度 改札は人ごみ に溢れまた
引いては 波の様に 打ち消す現実があなたに
発言以外の表現をもたらしたそれが
死をもって言葉に重みを持たせる?
いや、言葉で伝えられなかった時に
選んだその焼身に絶対に賛同は出来ない
その身を焦がした訴えさえも
誰かのカメラの向こうの昨日だ

何間3万人の自殺者がいる中
その3万分の1が死という選択で
もし政府や世論が揺れたとしたら
もしかしたら3万回揺れる事になるよね

自殺を持って何かが変わる事は無い
その訴えさえもかき消してしまう程に
自殺を持って何かが変わる事は絶対無い
その訴えさえ逆さまにしてしまう程に

取りとめた一命 それならなおさら
絶望希望絶望で次は希望のターン
センセーショナルな白昼堂々繁華街で
あくびの数分頂いて 拡声器で拡散

あぐらかいた数秒で決意が揺れ動いた
鼻につく ガソリン そこまであと1分
確かに無関心な生と死 好奇心が突破口
でも、翌日には自殺未遂現場を指さす
通行人 OL達も鼻でくすくす笑いながら
ランチまでの話題のヒトコマ
集団的自衛権で苦しんだって死ねない
「戦争が始まるらしいっすね」
棒読みの学生 棒読みのキャスター
そうだね 1人の力じゃ悪いけど
きっと朝刊の紙面のカラーを白黒に変える
程度しか出来ない 

言葉が死に勝るその訳は
死人に口は存在しないから
いくら法案に反対しても
あなたが死を選んだ事実は絶望
将来を良くしたいあなたが
死を選んだ事自体は絶望
未来を生きて行く言葉が
あなたより先に鉄骨から落ちた
いくら希望のある言葉を並べても
その先が自殺なら意味が無いんですよ

マレーシア航空機が落とされた
朝にはガザでは地上侵攻
マレーシア航空機が落とされた
朝にはガザでは地上侵攻

日本には幸運な事に言論の自由と
インターネット環境があった
規制が引かれて言葉が奇声
という烙印を押されるまでは
日本には幸運な事にそれなりの平等
があった マレーシア航空機の子供
研究者とガザ一般市民の命を1名と数えれた
果たしてその空は人を客だと思っていたのかな

ゆとり教育の中、義務教育を抜け
得た知識こそが 最大のゆとりの誤算
と言われる程に 世界で今何が起きているかを
目覚まし時計のアラームの後に
こんなオレでも気にするようなった
それってどうなの、オレってどうなの
みんなで選挙で選んだ政党だったはずでしょ
向こうの戦火に我関せず、でも、
それはそれでどうなの
フォーカスを当てた悲劇のヒロイン
暗闇に埋もれたその他大勢
会社の同僚に相談したら
「うざい」と言われて「そうだよね」
笑ってお終いにしたいとこだよね

自販機の缶を替えに来た業者さん
モーニングAセットを準備する店員さん
電話すれば出てくれる実家の祖母
ここで何不自由無いくらいだから
当たり障り無い事が賢いって言われたりするわけだから
会議を仕切れるあの上司に派遣が憧れたり
毎朝売り切れてるミネラルウォーターの
代わりを選ぶ時間や朝礼で発言を
振られうまい事言えなくてすべって落ち込んだり

どうせ知らない間に全てがうまく行くはずだ
どうせ知らない間に何かが決まって行くはずだ
せめて、父親と母親が平和な時代で良かった
70年続いた平和があった事を心の隅にせめて覚えておくよ

マレーシア航空機が落とされた
朝には僕はいつも通り出社
マレーシア航空機が落とされた
朝には僕はいつも通り噂話
マレーシア航空機が落とされた
朝には僕はいつも通り笑った
マレーシア航空機が落とされた
朝には